【コラム】身近な相対性理論

ほまれ塾助っ人ライターのAです。  

前回のブログで、月・宇宙・アポロ11号・光の速さ、そして科学的なものの見方についてもお話させていただきました。(【コラム】中秋の名月。アポロ11号は月に行ったっていうのに。) 

今日は、理科のおもしろさを知るきっかけに少しでもなればと思い、相対性理論の話をしたいと思います。

と言っても、むずかしい話をされたらかえって理科がきらいになるでしょう(笑)今日はイメージを簡単に説明します。厳密な理論は大学で学んでください。

①「相対性」の意味合い

相対性理論は、20世紀最大の科学者・アインシュタインが考えた物理学の理論です。

「相対性理論」という名称は日本語の訳語ですが、ここで言う「相対」とは、「絶対的ではない」ということを表しています。

相対性理論は空間や時間などを物理学的に考察していくのですが、その中で「空間も時間も絶対的なものではない」という考え方が出てきます。「空間は絶対的なものではない」とは、「空間は伸びたり縮んだりする」ということを意味し、「時間は絶対的なものではない」とは、「時間の流れは速くなったり遅くなったりする」ということを意味します。

②本当に時間の流れは遅くなるのか?

ここで考えてみてください。「空間が伸び縮みする」ことはもしかしたらありえるかもしれませんが、「時間の流れが速くなる」「時間の流れが遅くなる」なんてことがありうるでしょうか?人間がどう感じるかとは関係なく、物理学的な意味での時間の流れ方が速くなったり遅くなったりすることがありうるのでしょうか?

ありえない、と思いますよね。しかし、相対性理論によればありえるのです。「光に近いスピードで移動すると、時間の進み方がゆっくりになる」という話が出てくるのですが、これが理論上正しいと証明されました。だから世界中に衝撃が走ったのです。

理論上はそうでも実際には違うだろう、と思いますが、実験によっても正しいことが確認されています。ジェット機に精密な時計を積んで全速力(光ほど速くはありませんが)で飛んだら、時計がわずかに遅れたのです。

③あなたの手の中にも相対性理論がある

相対性理論は科学の歴史をひっくり返すほどの革命的な理論でした。あまりに革命的すぎて、発表当時は科学者たちも理解できなかったほどです。アインシュタインは相対性理論を発表した後にノーベル物理学賞を受賞していますが、受賞理由は相対性理論ではなくまた別の理論です。

相対性理論は、話が進んでいくと、ブラックホールの理論やタイムマシンの理論にもつながっていき、SFの世界のような領域に入っていきます。

しかし、私たちの身近なところにも相対性理論はあるんです。

スマートフォンで、地図アプリなどを使っていて位置情報を取得する時、スマートフォンは人工衛星が発信した信号を利用しています。人工衛星は地球の周りをものすごいスピードで飛んでいますので、人工衛星にとっての時間の流れは地表での時間の流れより遅くなっています。この遅れの計算が相対性理論に基づいているのです。正確な位置情報を取得することによって、目的地にたどり着けたり、落としたスマートフォンを取り戻すことができたりしたら、相対性理論のおかげと言えるでしょう。

また、同名の「相対性理論」というバンドもあって、良い曲をたくさん出しています。

世界的な音楽家の坂本龍一さんは相対性理論が好きで聴いているそうです。

相対性理論は小むずかしい理屈をこねることはなく、ノリとメロディとボーカルが革命的です。

安心してください。相対性理論はむずかしくありません。

                     

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