【学習について】春はあけぼの。夏は夜。秋は夕暮。古文は日本語。

ほまれ塾助っ人ライターのAです。

先週のブログで、「春はあけぼの」を題材として古文の読解を得意にするコツを簡単にお話させていただきました。

「現代日本語の文章をたくさん読んで基本的な読解力を高めておき、古文の特徴を知った上で読めば、読解できるようになる。」という話です。

今日は、この話を少し掘り下げてみたいと思います。

先週に続いて「春はあけぼの」を例にします。

まずは簡単な3択問題です。「春はあけぼの」で有名な「枕草子」の作者は次の3つのうち誰でしょう?

①紫式部

②清少納言

③ネアンデルタール人

                        

                           

                        

②と③で迷うかもしれませんが、正解は②清少納言ですね。

では次の問題です。清少納言が枕草子を書いたのはいつでしょう?

①約100年前

②約1000年前

③約100万年前

                              

                          

                              

正解は②約1000年前です。西暦1000年頃、平安時代の文学や和歌が栄えた頃です。

だんだん核心に迫ります。千年前の日本語と現代の日本語はどれぐらい違うでしょう?

ここで枕草子をみてみましょう。

書き出しは↓

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」

現代語訳は↓

「春はあけぼの(がいいね)。だんだん白んでいく山際が少し明るくなって、紫がかっている雲が細くたなびいている(のがいいね)。」

どうでしょう。「やうやう」や「山際」のように知らないと意味が分からない単語もありますが、大部分は現代日本語と同じだと思いませんか?

「春」「白い」「山」「少し」「明るい」「紫」「雲」「細い」は現代とほぼ同じ意味で使われています。

文法も根幹の部分は現代の日本語と似ています。

「春はあけぼの」の次は、「夏は夜」「秋は夕暮」「冬はつとめて」と続き、「つとめて(早朝)」だけ違いますが、後は現代と同じです。

英語やドイツ語やフランス語ではこうはいきません。単語も文法も日本語とは全く異なるシステムの上に成り立っています。

古文の文章は、たとえ千年前と言えども日本語の文章なのです。江戸時代の落語や歌舞伎の台本を読んでみると、平安時代の古文よりもさらに現代日本語に近いことが分かります。

もちろん現代日本語と全く同じではないため、外国語習得と同じような単語と文法の学習は必要ですが、その量は英語と比べれば桁違い(けたちがい)に少ないと言えます。

しかも母国語(現代日本語)と似ているので簡単です。

それにリスニングも要りません。

古文は、現代日本語が多少変化した言語だと考えて学習すると意外と簡単だったりします。

                            

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