ほまれ塾助っ人ライターのAです。
雨で涼しい日が続きましたが、再び真夏らしい暑さが戻ってきました。
そこで砂漠のラクダをテーマにした問題を紹介してみたいと思います。
【問題:17頭のラクダ】
砂漠の宮殿に、王様と3人の息子が住んでいた。
王様は、次のような手紙を残して長旅に出た。
「庭にいるラクダを3人で分けなさい。ただし、全体の半分を長男・全体の1/3を次男、全体の1/9を三男のものとする。」
ところが、兄弟たちが庭に行ってラクダを数えてみると、ラクダは全部で17頭だった。これでは「半分・1/3・1/9」に分配することができず、兄弟たちは途方に暮れた。
しかし、砂漠の商人が通りかかり、あるトリックを使うと、見事にラクダを分配できた。商人はどんなトリックを使ったのだろうか?
学校の算数や数学にとらわれず、柔軟に考えてみてください。と言っても、答えは問題の数学的な本質をついていて、「あ、そうか!なるほど!」と納得できるトリックです。
【解答:砂漠の商人のトリック】
通りすがりの砂漠の商人はどんなトリックを使ったのでしょうか?
正解は「ラクダを1頭足した」です。
当初は17頭だったので1/2にしたり1/3にしたり1/9にしたりすることができませんでしたが、1頭増やして18頭にしたことにより、「長男が1/2(9頭)・次男が1/3(6頭)・三男が1/9(2頭)」と分配することができました。
さらに、9頭(長男)+6頭(次男)+2頭(三男)=17頭(当初の頭数)となり、商人は、追加した1頭(18-17)を元の場所に戻したのです。
つまり、商人自身のラクダは増えも減りもしていないのですが、3兄弟は「17頭のラクダを余り無く1/2・1/3・1/9に分ける」ことができたのです。
砂漠の商人が使ったトリックが、まるでアラビアンナイトの魔法のランプから出てきた魔神の魔法のように思える…とまでは言えないかもしれませんが、数理や論理の不思議さやおもしろさを感じ取っていただければ幸いです。
夏休みなどにこのような問題に取り組んでみると、論理的思考やひらめきを開発する良い機会となるでしょう。
なお、この「17頭のラクダ」は、大昔からアラビア世界に伝わる数学の問題です。アラビアだからウサギやカメやヒツジではなくラクダなんですね。また、トリックを使ったのが商人ではなく数学者や旅人であったりするバージョンもありますが、大事なのは「17」という分けられない数の扱いです。
アラビアの数学や文化を知ってみるのもおもしろいでしょう。ディズニー映画の「アラジン」も、エンターテイメントですが、意外と良い勉強になるかもしれません。
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