ほまれ塾助っ人ライターのAです。
今日は社会でつまずきやすい円高と円安を攻略します。
①通貨とは
お年玉の1万円札を持ってアメリカのマクドナルドに入ったとしましょう。
アメリカの通貨はドルなので、たとえレジで1万円札を出してもコーラ1杯すら買えません。古代の人々のように金や銀や貝殻を出してもコーラと交換してくれません。
通貨がドルの世界では、買物はドルでしかできないのです。これが大前提です。(クレジットカード等は使わないものとします)
②為替レートとは
通貨がドルの世界では、ドルでしか買物ができず、物の価値はドルで表されます。
コーラやチーズバーガーは1ドル、ビックマックは4ドル、ポケモンの最新作は60ドルです。
しかし、「1ドル」「4ドル」「60ドル」という表現は、通貨がドルの世界で暮らしている人々には通じますが、外の人々には通じません。
円で生活する人には「1ドルは○○円に相当する」という交換比率、ポンドなら「1ドルは○○ポンドに相当する」という交換比率が必要になります。この交換比率が為替レートです。
③円高とは
通貨と為替レートを理解した上で、解説などでよくある「為替レートが1ドル=100円」という状況を考えてみます。
コーラやチーズバーガーは100円、ビックマックは400円、ポケモンの最新作は6000円となります。生活実感からしてまあまあ妥当でしょうか。
次に「1ドル=10円」という状況を考えてみましょう。
コーラやチーズバーガーは10円、ビックマックは40円、ポケモンの最新作は600円となります。
チーズバーガーは10円玉1個で買えてしまいますね。1万円札があれば、ポケモンを1ダース買っても2800円のおつりが残ります。
これほど有利に買物ができるのは、「1ドル=10円」が「1ドル=100円」と比べて「円の価値がドルに対して高い状態」だからです。この状態を経済の言葉では「円高」と表現します。
④ドル安とは
「円高」すなわち「円の価値がドルに対して高い状態」は、「ドルの価値が円に対して低い状態」とも言えるので「ドル安」とも表現します。
円高とドル安は同じ状態を指す言葉なのです。これがわかっていないと混乱します。
「1ドル=10円」は、「1ドル=100円」と比べると、「円高」とも表現でき、「ドル安」とも表現でき、「円高・ドル安」とも表現できます。
⑤円高や円安でどうなる?
円高なら、日本円のお札や硬貨を持っている消費者や企業はアメリカの製品を買いたくなりますね。輸入に有利です。
円安、仮に「1ドル=1000円」だったらどうでしょう?
④と同様に考えて「円安」は「ドル高」と同じであり、ドルの価値が円に対して高いので、アメリカの消費者や企業が日本の製品を買いたくなります。日本から見れば製品がアメリカによく売れる、つまり輸出に有利ですね。
これで円高と円安が理解できました。海外旅行や輸入の経験が無いとイメージしにくいですが、実は英語や数学よりもずっと簡単です。
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